広報オンライン(アーカイブ)
March 04, 2018
「ゆかり本」
▼飯野りさ先生が、平成29(2017)年度第35回東洋音楽学会田邉尚雄賞を受賞しました(http://tog.a.la9.jp/prize.html)。
▼授賞対象は以下のとおり。『アラブ古典音楽の旋法体系:アレッポの歌謡の伝統に基づく旋法名称の記号論的解釈』(スタイルノート、2017年2月25日発行)ISBN978-4-7998-0158-1 C1073、
▼授賞理由は、以下のとおり。「『アラブ古典音楽の旋法体系:アレッポの歌謡の伝統に基づく旋法名称の記号論的解釈』は、シリアのアレッポにおける歌謡を事例に、アラブ古典音楽の旋律様式体系を、記号論を理論的土台として文化内在的な枠組み(音文化)と文化外在的な枠組み(音楽学)を対応付けながら解明したものである。本書ではこれまで注目されてこなかった「ナガム」を中心的な旋律概念として取りあげ、それをアラブ音文化の核にある「タラブ」概念と結び付けるとともに、ナガムを構成する旋法名称の音楽学的体系性が明らかにされる。実践者の音楽知に常に立ち戻りつつ、文化内在的領域と音楽学的領域の双方向から旋法を捉える複合的でダイナミックな研究手法が、アラブ古典音楽の研究に留まらない、新たな音楽構造研究の地平を切り拓くものとなっている点が優れていると評価された。」
▼また、当該図書は、科学研究費助成事業の研究課題「シリア正教徒共同体における音楽とアイデンティティ」に係る研究成果に該当します。