広報オンライン(アーカイブ)
December 06, 2017
「久邇宮御殿文庫」
▼久邇宮御常御殿の格天井に絵画が納入されたのは、大正15年3月10日のことである(『邦彦王行實』)。当該「格天井画の名称及び作者名」記述書物が、2冊ある。▼既出の『邦彦王行實』(昭和14年)及び『故總裁宮殿下奉悼集』(昭和4年)である。▼この2冊について、格天井画の作者掲載順を見比べると、2箇所異なっている。
▼1箇所目、『故總裁宮殿下奉悼集』では「10番目 長野草風」、「11番目 橋本靜水」であるが、『邦彦王行實』では「10番目 橋本靜水」、「11番目 長野草風」と、二人の順序が逆になっている。▼2箇所目、『故總裁宮殿下奉悼集』では「19番目 橋本永邦」、『邦彦王行實』では「24番目(最後) 橋本永邦」と、橋本永邦の掲載順が大分移動している。
▼『故總裁宮殿下奉悼集』(昭和4年)及び『邦彦王行實』(昭和14年)の前後を含めた記述内容に鑑み、一方の情報を元に作成され、同内容と考えられる記述箇所が幾つか見受けられる(発行年からすると『故總裁宮殿下奉悼集』の情報を元に『邦彦王行實』作成、となりそうだが、断定はできない)。当該同内容記述が、「格天井画の名称及び作者名」の箇所なのである。
▼いずれにしろ、格天井画の作者掲載順が2冊の書物で異なっているのは何か意味があるのだろうか。▼格天井画は、当該数からいって、久邇宮御常御殿の「王御寢所」及び「次の間」に嵌め込まれていたと推測されるが、作者掲載順の異なりは、嵌め込まれていた場所と何か関係があるのだろうか等、興味ある所である。▼引き続き、調査が必要である。