広報オンライン(アーカイブ)
February 17, 2022
「オンラインデータベース、武島文庫」
▼聖心女子大学図書館デジタルギャラリー「漢籍」コレクションに『千字文餘師』が掲載されています。▼同書について、他大学図書館資料との類似性について、調べてみました。▼まず、CiNii Booksで検索してみます。▼『増補繪抄千字文餘師』として、①九州大学中央図書館雅俗文庫及び②筑波大学附属図書館に所蔵があります。▼次いで、注記を見ます。▼すると、筑波大学附属図書館の方が、本学図書館所蔵書との共通項が多いことが分かります。▼引き続き、筑波大学附属図書館の注記との比較を行います。同じものに◎を附します。
・書名は刷り題簽より(「増補繪抄」部分は二行書き) ◎
・巻頭の書名: 千字文 ◎
・著者名は序より ◎(※楓川市隠)
・最終丁に「弘化三丙午年夏五月再刻 山崎屋清七板」とあり ◎
・最終丁は後表紙に貼付 ◎
・四周単辺有界6行注文双行 平仮名付訓 ◎
・頭書あり ◎
・挿絵(墨印)あり ◎
▼共通項が非常に多く、どうやら同版のようです。
▼実は、ここで終わりではありません。▼次に、JAPAN SEARCHがあります。▼千字文餘師、で検索してみます。▼『増補絵抄千字文余師』として、早稲田大学図書館に所蔵があります。▼同書は、画像が公開されていますので、本学図書館デジタルギャラリーの画像との比較を行います。▼同じコマ数(29◎)の内容が同じものでした。▼どうやら同版のようです。
▼CiNii Books及びJAPAN SEARCHを駆使し、筑波大学附属図書館所蔵、本学図書館所蔵及び早稲田大学図書館所蔵に同版関係が成り立つようです。
▼なお、同書は、本学図書館では「漢籍」コレクションに分類されていますが、「武嶋」の蔵書印が押印されていることから、元は「武島文庫」の一部だったことが分かります。▼このように元の「武島文庫」は、蔵書印をつぶさに見ていくと①武島文庫②貴重書③一般和装本④漢籍に分かれて、コレクション分類がなされています。