久邇宮御殿文庫

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【少し記事を追加しました:赤字部分】隧道(トンネル)はいずこまで???

▼聖心女子大学の広尾商店街側の門を入ると、1919年竣工久邇宮御殿隧道(トンネル)があります。▼現在は、隧道(トンネル)入口が完全に塞がれていますが、数十年前まではそうではなく、上部から中を窺い知ることができたようです。▼隧道について少し説明します。▼延長参拾四間 巾九尺 髙拾尺 圎形 トンネル工事 着手 大正六年八月十日 竣工 大正七年二月十四日 一. トンネル工事 廣尾町ニ通ズル裏門ハ庭園ノ狹隘トナルヲ慮リトンネルトナス 一 基礎 割栗石及コンクリートニテ打堅メ腰積石大谷一尺角六段積 其他 煉化石張立▼さて、この隧道(トンネル)いずこへ通じていたのでしょうか。

 

 

▼『欽仰録』(大正十三年六月十七日、富山懸師範學校)を見ると、隧道(トンネル)の終着点が記されています。▼「良子女王殿下 二 御學問所」(p.82)に「東京市外下澁谷なる久邇宮御殿の御通用門を入る。通路が一町ばかりトンネルになつてゐて、それを抜け切ると老松蔭も小暗き中に嚴に立つ御殿の御車寄の前に出る。」とあります。▼これに依れば、ここの前に出ていたことになります。

 

 

▼この「久邇宮御殿日本舘御車寄」について、少し長くなりますが説明します。▼一. 御車寄及階段  工事 着手 大正六年八月拾日 竣工 大正七年四月十六日 基礎 柱下根切 四尺方 深 四尺五寸 コンクリート 四尺方 厚 二尺五寸 敷石下割栗石 八寸 コンクリート 六寸 打込リ 桁行 三間半 梁間 二間半(京間)平積 八坪七合五勺 軒髙十四尺 転出七尺 屋根唐破風銅板葺 一棟 二 軒 斗組造檜桁水引其他全部 尾州材 柱下惣番小花崗石上等磨キ 四半敷石 前全断 階段石 長十五尺 巾一尺五寸 厚六寸  小花崗石 壱本石ニテ四段敷 階段左右ハ曲リ巾木付 檜惣羽目板張

 

▼前記『欽仰録』中に「通用門」とあります。▼この久邇宮御殿の「通用門」という名は、大学にも引き継がれ、20年ぐらい前までは、皆「通用門」と呼んでいました。▼しかし、平成15年2月20日付け文書「各門の呼称について」により、南門と名が変更されました。▼現在「通用門」という名を聞くことはほとんどありません。▼少し寂しく残念な気がします(20220412)。

 

▼最後におまけです。▼御車寄屋根の黄金バージョンです。▼さて、これはどういったことでしょうか?▼ヒント:十圓玉です。

 

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