OPAC【TERESA】の名称の由来について
“テレサ”という名のモダンローズ
知っていますか?“テレサ”という名のバラを。
初夏の大地では、花々が美しく咲き始めます。バラの花も誇らしげに、あるいは可憐に咲き乱れ、人々の目を奪います。バラ園芸の歴史は長く、古くから品種改良が行なわれ続け、現在でも新しい品種が作り出されています。バラの品種は、系統的には、「野生種」、「オールドローズ」、「モダンローズ」に大きく分類されるそうです。
1867年に発表された「ラ・フランス」という品種以降に発表されたバラの品種のことをモダンローズと言い、それ以前をオールドローズと言います。この品種は、「ハイブリット・ティー・ローズ」と呼ばれていますが、四季咲き・紅茶のような香りを持つティー・ローズと、大輪咲き・強健なハイブリッド・パペーチュアル・ローズの性質を合わせ持つバラの栽培史の中で一番有名で画期的なバラと言える存在なのです。
「テレサ」は、このハイブリット・ティー系統の深く鮮やかなピンク色の品種のバラです。大人のローズ色で、ティー・ローズを受け継いだ薫香を持ち、花形、花もち、何も言うことが無いぐらい素晴らしいバラと言われています。花言葉は、“笑いを呼ぶ人。あなたを尊敬します。”です。
図書館新OPAC【TERESA】の名称は、この美しく・逞しいローズ色のバラ「テレサ」になぞらえて付けられました。図書館OPACとしては、1988年に図書館業務のコンピュータ化が始まってから4代目になります。TERESAは、色々な図書館システムから良い所を抽出し、プログラムに改良を重ねた言わばハイブリッド品種です。今回は、クラウド版に進化しての登場です。“ローズ色”は本学図書館OPAC【TERESA】の色と思い起こしてください。
“テレサ”という名の偉大な修道女
知っていますね!“テレサ”という名の修道女を。
マザー・テレサ(Mother Teresa,1910.8.26-1997.9.5)は、キリスト教の伝統を創った女性の一人です。貧しい人々のために働き続け、その生涯を愛に捧げたことで知られる修道女、教育者、平和運動家と言われています。アルバニア生まれのマザーは、インドのカルカッタにある上流階級の子供が通う「聖マリア学院」の地理の教師でしたが、カルカッタの貧しい人々の姿を目にし、スラム街の街頭でホームレスの子どもたちを集め、授業を行うようになりました。やがて、その活動に「聖マリア学院」の教え子たちがボランティアとして加わり、「神の愛の宣教者会」の創立へとつながっていったのです。マザーの活動はカトリック教会全体に刺激を与え、その活動は全世界へと広がり、世界各地に病院、HIV患者のための家、ハンセン病者のための施設、炊き出し施設、児童養護施設、学校などが建設され今に至っています。その活動が認められ1979年にノーベル平和賞を受賞されました。
故白柳誠一枢機卿(元カトリック東京大司教区大司教)は、沖守弘撮影/蛭間重夫編『マザー・テレサと姉妹たち』(女子パウロ会,1978年9月出版)のあとがきに、次のように記しています。「マザー・テレサのことばとその生活に接すると、それが福音、すなわちキリストのことばをそのままを語り、キリストの生き方を、そのまま自分の生き方としていることに気づきます。彼女は、すべての人々、しかし特に貧しい人、忘れられ虐げられている弱い人の中に、神の似姿を認め、そのような人々を大切にすることによって神への愛に徹しようとしています。(中略)彼女の魅力は、キリストが教えられた道を徹底的に歩んでいるところにあります(後略)。」
図書館新OPAC【TERESA】の名称は、奉仕に生き、魂の最も奥深いところで人間が求めてやまない聖性と言うべき行動を生涯貫いた偉大な女性、マザー・テレサにあやかって付けたものでもあります。OPAC【TERESA】で図書館の蔵書を検索し、自分の“生き方”や“社会の在り方”についてなど参考にできる本“私のすてきな一冊”を是非みつけてください。
マザー・テレサは多くの名言を残しました。その一つをご紹介します。
あなたの中の最良のものを、世に与え続けなさい。
けり返されるかもしれません。
気にすることなく、最良のものを与え続けなさい。
気にすることなく、最良のものを与え続けなさい…。
参考資料
- Wikipedia マザー・テレサ ja.wikipedia.org/wiki/マザー・テレサ (2014年6月2日 アクセス)
- マザー・テレサの名言|地球の名言 http://earth-words.org/archives/2182 (2014年6月2日 アクセス)
- 小さな園芸館 http://www.flowers-beauty.com/007_flowers/rose/rose_80.htm (2014年6月2日 アクセス)